2023年7月16日 ジェーン・バーキンさんの訃報が伝えられました。
世界に多くの影響をもたらした偉大なアーティストであり女優でもある世界的アイコンの生涯をふり返りたいと思います。
この記事でわかることをチェック!
- 1分でわかる「ジェーン・バーキンの経歴」
→女優、歌手、モデルというマルチなアーティスト。2023年7月73歳で死去。死因は自然死。 - ジェーン・バーキンの代表作(映画)が観られる動画配信サービス
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1分でわかる「ジェーン・バーキンの経歴」
ジェーン・バーキンは、イギリス・ロンドン出身の女優、歌手、モデルで、英仏を中心に活動したマルチ・アーティストとして活躍しました。
ジェーン・バーキンは女優としていくつもの作品に出演しました。『欲望』(1966年)、『ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ』(1976年)、『ナイル殺人事件』(1978年)、『地中海殺人事件』(1982年)などの数々の代表作があります。
歌手としては、のちに夫となるセルジュ・ゲンズブール(1991年に死去、死因は心筋梗塞)とのデュエット曲「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」(Je t’aime… moi non plus)(1969年)が大ヒットしました。また、セルジュ・ゲンズブールとの間に現在女優や歌手として活躍するシャルロット・ゲンズブールを授かっています。
さらに、ナチュラルな魅力でファッション界にも新しいミューズとして君臨。
1984年にはエルメスのCEOと偶然出会ったことがきっかけで、彼女の名前を冠したバッグ「バーキン」が誕生しました。このバッグは今でも世界中の女性から憧れられるファッションアイテムです。
人道的な活動にも熱心で、東日本大震災後に来日し、チャリティーコンサートを開催しました。この功績により、旭日小綬章を受章するなど、日本ともつながりの深い人物でした。
2023年7月16日に76歳で死去しました。2021年に脳卒中を患うなど、ここ数年は健康状態が悪化していたとのことです。死因は自然死だったと伝えられています。
ジェーン・バーキン その代表作を配信サービスで観る
世界中の憧れの存在でもあったジェーン・バーキン。
その女優としての魅力が詰まった映画をいくつか紹介したいと思います。
また、これらの作品が観られる動画配信サービスもお伝えします!
「欲望」(1966年)
「欲望」は1966年に製作された、ミケランジェロ・アントニオーニ監督の作品です。
この映画は、第20回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞しました。
原作の小説である「悪魔の涎」をもとにした不条理な世界観と緻密な演出が見どころです。
若くして活躍するカメラマンのトーマスは仕事に精を出しているある日、公園で女性と中年の男性が仲睦まじくしている様子をカメラに撮ります。
盗撮に気づいた女性にフィルムを渡すように求められたトーマスは、フィルムを引き渡すことを断ります。
しかし、その女性はトーマスの仕事場までやって来て再びフィルムを渡すように交渉します。トーマスはフィルムを渡すことに同意するものの、異なるフィルムを女性に渡し、その公園で撮った写真を商品にするために現像します。しかし、そこにはなんと殺人の現場らしきものが映っていたのです。
その後トーマスは、事件の真相を探ろうと仕事仲間に声を掛けますが、相手にされません。
一人で事件の真相に迫ろうと死体があった公園に向かうも、すでに死体はなくなっており途方に暮れるトーマス。
事件は謎のままラストシーンへ。公園でパントマイムを行う青年たち。そこでパントマイムを見ながらひとり佇むトーマス。こうして余韻を残したまま映画は終わります。
ジェーン・バーキンは新人モデル役として登場します。有名カメラマンである主人公のトーマスに、なんとか写真を撮ってもらおうとするも、追い返されてしまうという役回りです。
なので、代表作というものではないかもしれませんが、この作品をきっかっけにブレイクしたとも言われています。女優として駆け出しだったころのジェーン・バーキンを見ることができる貴重な作品と言えるでしょう。
舞台である60年代のスウィンギング・ロンドンを象徴するような役であり、彼女のモデルとしての魅力も感じられる役でもあります。
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「ジュテーム・モア・ノン・プリュ」(1976年)
映画「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」は、セルジュ・ゲンズブールの初監督作品で、1969年に発表された楽曲「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」をモチーフに1976年に映画化されました。
ゴミ処理をしながら町を転々とし、仕事仲間以上にパートナーとして強い絆で結ばれているクラスキーとパドバン。二人があるとき立ち寄ったカフェで、ウェイトレスとして働くボーイッシュな女性ジョニーと出会います。
クラスキーとジョニーはお互いに興味を持つのですが、クラスキーはゲイであり、ジョニーと行為を行おうとするもうまくいかず。それでもジョニーと試行錯誤し、とうとう二人は心も体も結ばれ、幸せの絶頂に。
そんな中、パドバンは強い嫉妬からジョニーに対する嫌がらせや暴力を振るうようになります。
そうした事実を目にしたクラスキーは…。
そして、ラストシーンへと展開するのです。
ジョニー役は、モチーフとなった楽曲「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」をゲンズブールとデュエットしたジェーン・バーキンです。
赤裸々な性描写のシーンがあったことから、日本では1983年に「ジュ・テーム…」のタイトルで初公開されましたが、修正が加えられ、英語版での上映でした。
1995年のリバイバル上映およびビデオ発売以降、タイトルは「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」に変更されました。
この「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」セルジュ・ゲンズブールが監督だけでなく脚本や音楽も担当しており、彼の才能が存分に発揮されています。繰り返し流れるテーマ曲が印象的です。
また、ジェーン・バーキンの中性的な魅力も見どころの一つです。
「地中海殺人事件」
映画「地中海殺人事件」は1982年にイギリスで公開されたミステリー映画です。
アガサ・クリスティーの「エルキュール・ポアロ」シリーズ一作目「白昼の悪魔」が原作です。
地中海の小島の高級リゾートホテルで、有名な女優アリーナが殺害される事件が起こります。
容疑者には全員に動機があり、そして全員(一人を除き)にアリバイがあったという謎を本映画の主人公、名探偵ポアロが解き明かします。
ポアロは大富豪のホレス卿からダイヤ盗難事件の調査を依頼されて地中海の小島の高級リゾートホテルへ行きます。ホレス卿は女優のアリーナと婚約して大粒のダイヤを贈ったのですが、アリーナが他の男と結婚したためダイヤを取り戻したら模造品にすり替わっていたというのです。
ポアロが島に着くと、アリーナと夫のケネス・マーシャルと先妻の子リンダと一緒になります。ホテルのオーナーのダフネは、以前から想いを寄せていたケネスが女優時代にライバルだったアリーナと結婚したことで、アリーナとの間に火花を散らします。
ラテン語教師パトリックとクリスティンの夫婦はこのリゾート地で夫婦の問題を抱えます。パトリックがアリーナにぞっこんになり、二人が仲良く海水浴(以上のこと?)をしているのを見て、クリスティンが嫉妬するのです。
演劇の興行主のオーデルとマイラのガードナー夫妻は、アリーナが結婚のため舞台を途中で降板して大損害を被り、再び舞台契約を結ぶために追いかけて来たのです。
レックスはアリーナの暴露本を書いたものの、本人に出版を差し止められて憤慨します。
このようにさまざまな人物がアリーナを中心に関わる中、アリーナ殺害が行われるのです。
一人一人のアリバイを聞いて回るポアロ。そして最終的に犯人とするのは意外な人物でした。
この映画は非常に緻密なプロットが組まれており、残り香、投げられた瓶、真昼の入浴、日焼け、正午の大砲、水泳キャップ、高所恐怖症、ラテン語など様々な伏線が用意されています。最後まで目が離せない作品です。
ジェーン・バーキンはラテン語教師パトリックの妻役として登場します。夫婦でアドリア海の孤島でバカンスを過ごしていましたが、夫が他の女性と仲良くしているのを見て狼狽するのですが、実はこれは大掛かりな芝居であり、驚くべきラストが待ち構えています。
物語前半の姿と、ラストシーンでの佇まいの違いをみれば、ジェーン・バーキンの演技力の確かさがわかると思います。
役ではありますが、そのファッションにも注目です。
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まとめ
2023年7月16日に偉大なアーティストであるジェーン・バーキンの訃報が伝えられました。
そこで、この記事では、彼女の偉大な足跡をたどるとともに、彼女の代表作をご紹介しました。
世界中の人々を魅了し続けてきたジェーン・バーキン。
今まで彼女の作品に触れてこなかった人は、ぜひこの機会に彼女の魅力を堪能してください。
また、彼女の作品に触れてきた方も、作品を通じて彼女の魅力を改めて確認し、記憶にとどめておきたいですね。