ウェス・アンダーソン新作「アステロイド・シティ」のあらすじ・感想

前提として「アステロイド・シティ」は、あるテレビ番組で紹介される「劇」が舞台となっています。ですので、映画の中心となる「アステロイド・シティ」での出来事は、すべて役者が演じているという設定なのです。

その劇の舞台は1955年。物語は、アメリカ南西部に位置する砂漠の街、「アステロイド・シティ」で展開されます。この街には、隕石が落下してできた巨大なクレーターがあり、それが最大の観光名所となっています。そこに、科学賞の栄誉に輝いた5人の天才的な子どもたちとその家族がこの街に招待されます。

子どもたちに母親が亡くなったことを伝えられずにいるオーギー・スティーンベック（ジェイソン・シュワルツマン）、マリリン・モンローを彷彿とさせるグラマラスな映画スターでシングルマザーのミッジ・キャンベル（スカーレット・ヨハンソン）など、それぞれが複雑な思いを抱える中、授賞式は幕を開けます。

しかし、その途中で宇宙人が来襲し、予想もしなかった事態に大混乱に陥る人々。
街は政府によって閉鎖され、軍は宇宙人出現の事実を隠蔽しようとし、この町に来ていた人を隔離します。しかし、天才集団である子どもたちが外部に情報を伝えることに成功。
その結果、宇宙人がやってきた町として一躍有名になるのです。
そうした中、この町で隔離していた人々たちの関係も変わってきます。
ところが、また宇宙人がやって来て、先に奪っていった隕石を置いていくのです。
その結果、隔離が延期になり、隔離されたメンバーのストレスが頂点に達します。
ここで一悶着ありますが、人々は解放され、また日常へと戻っていくのでした。

1969年5月1日にテキサス州ヒューストンに生まれ。

ウェス・アンダーソン監督の特徴と言えば、唯一無二のビジュアル・スタイルです。
また、そうしたビジュアルと独特な演出、テンポなどによって描かれる世界観が広く認知され、世界中で人気を博しています。

彼の作品には、『天才マックスの世界』、『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』、『ライフ・アクアティック』、『ダージリン急行』、『ムーンライズ・キングダム』、『グランド・ブダペスト・ホテル』、『犬ヶ島』などがあります。

彼はまた、多くの賞を受賞しており、その中にはベルリン国際映画祭銀熊賞（審査員グランプリ）、ニューヨーク映画批評家協会賞脚本賞、ロサンゼルス映画批評家協会賞脚本賞などが含まれます。

彼の最新作である「アステロイド・シティ」も好評を博しており、初週の週末成績でウェス・アンダーソン監督作品史上最高記録をマークしました。